【よくある悩み】
- 外国の社員との会議に英語で臨まなくてはいけない
- 英語プレゼンの始め方・進め方・終わり方がわからない
- 社内公用語が英語で苦労している
- 成果が出る英語プレゼンを習得したい
- 「カッコよく」英語プレゼンができるようになりたい
この記事は、こんなお悩みを解決するものです。
この記事で紹介するテンプレを実践すれば、誰でも英語プレゼンが一定のレベルまでできるようになります。
なぜなら、実際に、グローバルIT企業に勤める僕自身が、このテンプレと練習によって英語プレゼンができるようになったからです。
アメリカ人の同僚との会議の場で実際に使われた具体的なフレーズも交えて解説していきますので、解像度高く理解できます。
ぜひ最後まで読んで、英語プレゼンをマスターしてください。
目次
Greeting (挨拶)
まず、挨拶。これは英語でも日本語でも大事なことですよね。
たまに、挨拶がなくプレゼンを始める同僚がいるのですが、あまり印象は良くないです。
なぜなら、欧米ではビジネスの前に、人としての関係性を重んじる側面があります。
あまりビジネスライクに接しぎると「なんだこいつは」と思われる可能性があるからです。
さて、ビジネスの現場で実際に使われる英語プレゼンの挨拶には、例えばこのようなものがあります。
【ビジネスシーンでの挨拶例】
- Hello, everyone. I hope you are doing well. This is Sato from the Inside Sales Department.
皆さん、こんにちは。お元気でお過ごしでしょうか。インサイドセールス部の佐藤です。 - Hi guys. My name is Sato and I manage the Inside Sales Department. How is everyone doing?
皆さん、こんにちは。インサイドセールス部門を管理している佐藤です。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。 - Thanks for joining today everyone. I’m Sato in charge of Inside Sales.
皆さん、本日はよろしくお願いします。インサイドセールスの管理をしている佐藤です。
挨拶は仕事の基本のキとも言われます。
普段慣れ親しんでいる相手でも、ちょっとした挨拶は欠かさず行うようにしてください。
Ice Break (アイスブレーク)
次に、アイスブレーク。アイズブレークとは、文字通り、「氷を溶かす」という意味で、その場の緊張を和らげ、雰囲気をよくするテクニックです。
なぜ、これをやる必要があるのかというと、会議を円滑に進めるためです。
実は、あなたが緊張している以上に、相手も緊張しています。
- 「この人はどんな人なんだろう」
- 「時間通りミーティングが終わるだろうか」
- 「何か質問されたら、私には答えられるだろうか」
- 「なんか威圧感があって恐いな。」
こんな想いが渦巻いています。相手が萎縮して良いことはありません。
よって、相手が共感できるネタを持っておくと良いです。
例えば、私がアメリカ人の同僚と会議するとき、CNNのスポーツ覧などをチェックして、アイスブレークに織り込んだりすることがあります。
アイスブレークのフレーズには例えば、このようなものがあります。
【天気の例】
- It was pouring today! Were you alright coming to the office?
今日は土砂降りでしたね。足元悪い中、大丈夫でしたか。 - It’s been so cold in Tokyo recently, how’s the weather in your city?
東京は最近とても寒いです。あなたのお住まいではいかがですか。
【スポーツの例】
- The match was great last night. One more win, and Angels gonna be a World Series champion.
昨晩のエンジェルスの試合はすごかったですね。あと1勝でワールドシリーズのチャンピオンですね。 - Amazing goal by Messi yesterday. He’s really determined.
昨日のメッシのゴールはすごかった。彼はやる気にあふれているよね。
アイスブレークが盛り上がってなかなか本題に入れないという場合もありますが、ぜひ、アイスブレークを活用し、会議の雰囲気をよくしてみてください。
Objective of Meeting (会議の目的共有)
さて、ここからプレゼンテーションの本題に入っていきます。まず、あなたが最初にやるべきこと。それは、会議の目的を共有することです。
なぜなら、会議の目的が定まらない会議ほど、非生産的なものはないからです。
例えば、皆さんも、こんな経験はないでしょうか。
- 結論がどこに向かうかわからず、みんな好きなことを言い合い、時間だけが過ぎていった
- 会議に招待されたら、唐突に提案を求められて困った
- 報告を受けるだけで、資料を読めばわかる内容だった
こういう事例は、会議の目的が共有されていないから起こることです。みなさんや会議参加者の時給を合算して考えると、これほど勿体無いことはないです。
よって、会議の目的は必ず共有すること。できれば、事前に共有されるべきでしょう。
ここで、会議の目的を伝えるための英語フレーズの紹介です。
【会議目的の共有】
- Today we are here to discuss the sales improvement plan for this quarter.
今日は、今期の売上改善について議論するためにお集まりいただきました。 - Today I’d like to introduce you to our new product line up and get your feedback.
本日は、当社製品の新ラインアップについて、皆様から忌憚のないご意見をいただきたいと思います。 - By the end of this meeting, I hope to reach an agreement with you on the purchase of XYZ product.
本日はXYZ製品の購入について、御社と取り決めたく思います。
目的を考えることは忘れがちで、ついなあなあで進めてしまうこともあると思います。
そういう時こそ、改めて、「これって何のためにやるんだっけ」と考えるようにしてください。
そして、会議目的を事前に共有することで、参加者の予想と現実の擦り合わせをするようにしてください。
Issue (課題の共有)
次にやること。それは、イシュー(課題)の共有です。
なぜなら、仕事は課題を解決するためにやるものだからです。
課題の質も大事ですが、決めた課題を、ちゃんと相手に共有するということも等しく大事です。
そうすることで、参加者の意識を集中させることができます。また、参加者側も事前に課題に対する解決案を考えてきてくれるかもしれないからです。
課題には、例えばこのようなものがあります。
【イシューの具体例】
- 営業利益率の改善
- 売れない商品の対策
- 風評被害対策
- 来期の人員計画
- 滞っているプロジェクトのテコ入れ
- 販売価格の見直し
当然、業界や業種、職種によっても課題は千差万別だと思います。どのような課題であれ、課題を見極め、設定した課題について上司からフィードバックをもらい、課題の質を高めて下さい。そして、それを相手に共有してください。
そもそも、プレゼンテーションが何のためにあるかというと、課題を解決するためです。複数のオーディエンスを集めてプレゼンをする理由は、自分一人でそのような課題を解決できないからです。つまり、プレゼンとは究極的には、課題の共有を通じて、相手を動かすためにあると言えます。だからこそ、課題を言語化することが大事です。
課題の英語フレーズには例えば、このようなものがあります。
【課題】
- There is an issue with the development process of A.
Aの開発プロセスについて問題がある - Here are three main problems with our current recruiting process.
現在の採用活動について、主な問題点を3つ挙げます - The issue with the marketing strategy of product A is that it does not consider the limitations of internal resources.
製品Aのマーケティング戦略について、社内リソースの制約を考慮していないことが問題である
課題の共有を通じて参加者の意識を合わせ、円滑に業務を進めていきましょう。
Solution (解決案の提示)
課題を明確・共有した後にやることは、解決案の提示です。
「え、そこまでやらなくちゃいけないの?」
「もう課題を提示した議論を開始してよいのでは?」
と言う声が聞こえてきそうです。ただ、それでは、不十分です。
なぜなら、そもそも、あなたが英語プレゼンを任されているということは、あなたに課題を解決できる一定の力があり、主体性が求められているからです。
課題だけを提示され、あとはよろしくと言われた相手は、あまり、良い気分はしないですよね。
よって、あなたが持っている知識とその時の前提条件で「たたき台案」を提示する必要があります。ここに、あなたの介在価値が生まれます。解決策提示の英語フレーズにはこのようなものがあります。
【解決案の提示】
- To address these issues, I'd like to propose three action plans. First, we need to expand our market coverage through the acquisition of Z Corporation. Second, we should streamline our sales process. Third, we need to create a new lineup that differs from the existing ones, which seem outdated.
これらの課題を解決するために、私は3つのアクションプランを提案したいと思います。第一に、Z社の買収により、マーケットカバレッジを拡大すること。2つ目は、営業プロセスの効率化。3つ目は、時代遅れと思われる既存のラインナップとは異なる、新しいラインナップを作ることです。 - I would like everyone's attention to consider my improvement plan for Project Hamilton. First, please review the sales growth projections. Second, could you examine my expense plan and let me know if there are areas where we can further reduce costs? Third, please review the G&A budget plan and let me know if it is sufficient to support my growth plan.
皆さん、Hamiltonプロジェクトについて私の改善案につき意見をください。まず、売上高の成長予測をチェックしてほしい。 第二に、私が見積もった経費計画を見て、さらにカットできる部分がないかどうか教えてほしい。第三に、一般管理費の予算計画をチェックして、これが今回の成長計画をカバーするのに十分な金額であるかどうか教えてほしい。
このように具体的な解決策を提示されると、相手も真剣になって考えてくれます。
Size of Prize (成果を定量的に示す)
さて、ここからは、課題解決後の成果を定量的に示しましょう。費用対効果を示すとも言います。
これを行う理由は、相手に課題を解決した後の具体的な成果をイメージしてもらうためです。
人間、誰しも、先の見えない作業をやらされるほど苦痛なことはないと思います。
だからこそ、あなたは、持ち前のプレゼンテーションスキルによって、相手に成功の姿をイメージさせる必要があります。
英語フレーズには例えばこのようなものがあります。
【成果のイメージ】
- After having these plans implemented, we should see our monthly sales go up by 20%.
これらの計画を実行した結果、月間売上が20%アップする見込みです - The response rate for our offer should increase by 30% if these measures are carried out immediately.
この施策により、オファーに対するレスポンス率が30%向上するでしょう - The manufacturing failure rate should decrease by 3% if you introduce the new machine.
新機材導入により、製造不良率が3%減少するでしょう。
イメージが共有されると、人間は行動をとりやすくなります。ぜひ成功イメージの共有をしてみてください。
Path to Prize (成果までのアクションプラン)
成果のイメージを共有した後にやることは、成果に至るまでのプロセス、すなわちアクションプランを提案することです。
これがなぜ大事かというと、あなたの同僚には、抽象度が高い指示や依頼で動ける人と、具体的な指示や依頼でしか動けない人がいるからです。
私の感覚的には、前者は2−3割、後者は7−8割と圧倒的に多いです。私もどちらかというと後者の部類に入る方だと思います。
例えば、こんな経験はありませんか?
【すれ違いの事例】
・○○さんに依頼したタスクについて、報告がない。確認してみたらまだ取り掛かっていなかった。
・上司から指示されたタスクに取り掛かり、報告・資料を提出したものの、このようなアウトプットは期待していなかったと言われた。
・他グループや他社と共同で取り組んでいるプロジェクトにおいて、話が噛み合わない。
このような事は、プロジェクトやタスクにおいて、曖昧性(高い抽象度)が介在することから発生します。
そのような曖昧性を排除するために、アクションプランの提示が必要です。
アクションプランは、5W1Hで表現されることが多いので、曖昧さを許しません。
そうすると、人は具体的に何をしたらいいかがわかります。
さて、いくつかアクションプランを提案する際の英語フレーズを紹介します。
【アクションプランのフレーズ例】
- Coordinate with the marketing team to finalize the promotional strategy. Let's have a draft ready for review by the 15th.
マーケティングチームと連携してプロモーション戦略を仕上げてください。15日までにレビュー用のドラフトを用意しましょう。 - Compile a list of key stakeholders and reach out to them for initial feedback by next Tuesday.
主要なステークホルダーのリストを作成し、来週の火曜日までに彼らからフィードバックをもらってください。 - Initiate a risk assessment procedure and present the findings in the next team meeting
リスク評価を開始し、次のミーティングでその結果を発表してください。
アクションプランを提示することで、参加者に具体的なイメージを持ってもらってください。会議の場で、アクションプランの妥当性に議論しても良いでしょう。
Risks and Mitigation Plans (リスクと回避策を提示する)
最後に、リスクと解決策の提示です。
リスクとは、業務やプロジェクトを進める上で発生するかもしれない障害のことです。そして、解決策とは、文字通りそのリスクに対する予防案や施策です。
これがなぜ大事かというと、ビジネスにはリスクがつきものだからです。プラン通りになんでも進んだら、苦労はないですよね。だから、リスクと回避策を提案することで、あなたのプランにより現実性・説得性をもたらすことができます。
例えば、下記のような英語フレーズがあります。
【リスクと解決策の提示】
- There are some potential risks to this plan. If the competitor drops their street price by 10%, then our product B will be affected. Additionally, there is an alternative product to ours being sold online at a lower price. Our products are benchmarked by consumers in stores.
この計画にはいくつかの潜在的なリスクがあります。競合が店頭価格を10%下げると、当社の製品Bに影響が出ます。また、当社と類似の商品がオンラインで安く販売されています。これらの商品と、当社商品はお客様から店頭にて比較されています。 - To mitigate the risks, I propose we take several actions. First, we will increase the margin for dealers by 5% so that they will be more motivated to sell our products. Second, we will pay influencers to promote our product so that price won't be the primary deciding factor for consumers.
リスクを軽減するために、いくつかのアクションプランを提案します。 まず、販売店へのマージンを5%増やし、彼らが当社商品をより多く売ってくれるように働きかけます。2つ目は、インフルエンサーを一時的に雇い、当社商品を宣伝してもらい、価格が主要な判断材料にならないようにすることです。
正直、ここまでやる必要があるのか?と思うと思います。私も、そう思うことがあります。ただ、ビジネスにリスクは付きものです。リスクがなければ、究極的には全ての事業は成功するとも言えます。
よって、もしあなたが責任感が強く、使命感に燃える社員なのであれば、リスクと対策に言及して損はないだろうと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。英語プレゼンテーションの始め方から終わり方までを具体例を交えて解説しました。
まとめると、英語プレゼンの構成はこのような形で考えると良いです。
【社内英語プレゼンの構成例】
- Greeting (挨拶)
- Ice Break (アイスブレーク)
- Objective of Meeting (会議の目的共有)
- Issue (課題共有)
- Solution (解決案の提示)
- Size of Prize (成果のイメージ、費用対効果を示す)
- Path to Prize (成果までのアクションプラン)
- Risks and Mitigation Plans (リスクと回避策を提示)
これらはあくまで一般的な型であり、業界・業種やその時々のシチュエーションによって変えるべきです。それから、プレゼンテーションの種類(例えば、資料が一人歩きしてもメッセージが誤解なく伝わる詳細な説明資料と、ジョブズのような投資家の感情に訴えかけるような資料とでは話が違う)によっても見せ方や伝え方は変わってきます。よって、あくまで参考程度に考えてください。
記事が少しでも学びになったと思ったら是非、いいね・コメント頂けると嬉しいです。次の記事を作るモチベーションになります。
それでは、see you soon!